名士会

名士会とは

名士会とは、フランス国王の招集によって開かれる臨時諮問機関で、国にとって重要な議題について議論をする場。招集されるメンバーは、王族、貴族、司教、裁判官、官僚などの名士の中から国王が選定するもので、メンバーに選ばれることは大変名誉な事であった。

名士会は、ヴァロワ朝の1470年に初めて開催された。以降は約10年~30年おきに開催されていたが、ルイ14世の「絶対王政時代」以降は、開催されることがなかった。

ルイ16世が開催した名士会

1787年2月にルイ16世が開催した名士会は、実に161年ぶりのもので、当時、破綻しかかっていた財政を立て直すために、抜本的な税制改革案について議論するためのものであった。

当時、第一身分(聖職者)と第二身分(貴族)は免税特権を持っていたが、ルイ16世は、財務総監カロンヌと協議を重ね、彼らの免税特権を廃止し、すべての土地に課税をしようとしていたのだ。しかし、名士会に召集されたメンバー144人のうち127人は第二身分の貴族であり、第一身分が14名、第三身分(平民)が3名という構成だったため、ルイ16世の案は受け入れられなかった。

彼らは、免税特権廃止の議題は「全国三部会」で議論するべきものであると主張し、結果的に、貴族と国王が対立する構図ができてしまった。

これまでの名士会は、召集されたメンバーが国王に反対意見を述べるということ自体がなく、いわば、国王の政治の裏付け的な役割であったため、貴族が国王に反対意見を述べたということが、革命のきっかけとなったとも考えられる。

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